ジネット・ヌヴー生誕100周年記念日本ツアー(名寄5/9、札幌5/10開催)大谷康子 特別インタビュー
ふきのとうホールの主催公演で5月には本紙イチオシの公演が開催される。ヴァイオリンの大谷康子が登場するのだ。今回のツアーで大谷は、5月3日の軽井沢大賀ホールを皮切りに全国12か所を周る。10日が札幌ふきのとうホール、前日の9日は同じ北海道内の名寄市での公演も組まれている。札幌は早々に完売することが予想される。名寄公演にも大注目。
ツアーのテーマは「ジネット・ヌヴーへのオマージュ」。ヌヴーは1949年に30歳で早世した天才ヴァイオリニストで今年生誕100周年を迎える。このコンサートを聴くお客さんで、もしヌヴーを聴いたことがない人がいるならぜひ事前にCDで接してみてほしい。どんな小品でも全生命をかけて没入する稀代の才能を垣間見ることができるだろう。大谷は芸高在学時に当時の指導教官からヌヴーを聴くよう勧められ衝撃を受けたという。ずっとヌヴーをテーマにしたコンサートを行いたいと考えていたが、ようやくそのときが来たということだ。ヌヴーの音楽は大谷のルーツを知る上で欠かせないパーツと言える。
プログラムはすべてヌヴーが得意にした作品ばかり。メインはR.シュトラウスのソナタ。しかもピアニストは、かのイタマール・ゴラン。大谷は2014年にベルリンのイエス・キリスト教会でこの作品を録音している。そのときのピアニストもゴランだった。ゴランは、レパートリーの拡大にとても慎重で大谷と共演するまでこの作品を弾いていなかったという。誰に依頼されても慎重に断っていたのだ。しかし、この録音のときは他でもない大谷の依頼ということで意を決し取り組んだのだという。そのR.シュトラウスが札幌の地で披露されるのだ。他にもモーツァルトの高貴な涙が零れおちるようなソナタK.304、ラヴェルのツィガーヌ、プーランクのソナタなども組まれている、いずれも華麗で優しい愛情に溢れた大谷の美質が最大限に堪能できる曲目ばかりだ。
大谷は、2016年まで東京交響楽団のコンサートマスターの任にあった。退任した後、様々なシリーズで精力的な独奏活動を開始した。本紙が注目しているのは、コンサートのたびに違うピアニストと共演していることだ。ジャズの山下洋輔とも共演している。これについて大谷に質問した。大谷は「いつも、もっと自由になりたいと思っている。まだまだ先がある。色んなピアニストと共演することで私を新しい知らない世界に連れて行ってくれるのを期待している」のだという。そして、いま、まさに次々と新しい音楽世界が開けていっている実感のうちに演奏家人生を過ごしているのだという。この感覚は、今年45周年を迎える大谷のキャリアのなかでも初めてのことだという。そんな境地を大谷はこう一言で表現してくれた。「いまが青春なの!」。
ここからインタビュー全文が始まります。
大谷康子さんの口調やお人柄、話の流れのライブ感をお伝えするため、記事の内容はあえて再構成せずにお届けします。
ご本人の希望により、一部の人名や内容はオフレコになっています(笑)
‐テレビ、リサイタル、後進のご指導、本当にお忙しい毎日だと思います。今日はそんななかお話を伺うことができて光栄です。今回のツアーは大賀ホールを皮切りに全12公演というハードスケジュールですが、そのなかに札幌(5/10ふきのとうホール)と名寄(5/9名寄市民文化センター)、北海道が2公演含まれております。本当に楽しみです。札幌はメインのプログラムがR.シュトラウスのソナタです。まず、この選曲の意図をお聞かせ願えますか。
大谷 R.シュトラウスのソナタは、イタマール・ゴランさんと4年前のデビュー40周年のときにベルリンのイエス・キリスト教会で録音した大切な作品です。今回またゴランさんと共演するということで選びました。
‐R.シュトラウスのソナタは人によっては、習作であって、まだ彼の個性は出ていないと評価する向きもあるようです。ですが私はとてもそんな風には思えません。大傑作だと思います。そうした「習作」という評価についてどう思われますか。
大谷 そんなことを言うひとは何も分かっていないと思います。あの作品には、R.シュトラウスがヴァイオリン・ソナタを書いた当時まだ作曲していなかった「英雄の生涯」、「ドンキホーテ」、「死と変容」といったオーケストラを使った後の作品の要素がもう出てきています。天才は早熟なのです。私はオーケストラの経験が長いので、あのソナタを完全な形にオーケストレーションすることができます。それぞれの旋律が具体的にどの楽器で鳴っているかはっきりイメージすることができます。第3楽章の冒頭はまさにホルンの音型です。もし、このヴァイオリン・ソナタをオーケストラに編曲しなさいという課題が出たら私はたやすく書くことができます。そのくらい、R.シュトラウスはもう自分の音楽を出しているのです。
‐なるほど、ヴァイオリオン・ソナタの、あの、曲がはじまってすぐに広い音域を駆け回り空間を制圧するような音楽からは、まさに「ドン・ファン」が聴こえてくるようですよね。
大谷 そうですよね。ゴランさんと、この曲(R.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ)でなぜ意気投合したかというと、リハーサルが始まる前にゴランさんが「どんな風に弾きたい?」って訊いてくれたんです。そのとき、私は「カルロス・クライバーが指揮するばらの騎士のイメージで」と答えました。それに彼も賛同してくれて、それですぐに意気投合したのです。ゴランさんにもそのイメージがあったんですね。
‐なるほど。大谷さんもゴランさんも、ヴァイオリン・ソナタのなかに彼の後期の音楽を見出していたのですね。クライバーのシュトラウスと言われますとたしかに大谷さんの華麗で小粋な音楽と接点があるように感じます。ゴランさんもそういったところに共鳴していらしたのですね。
大谷 ゴランさんはヴェンゲーロフとかヤンセンとかすごい奏者と共演しているピアニストなので、私もはじめはどうなるかなと心配だったのですが、すごく信頼してくれて、ぜひ日本ツアーをやりたいと前から言ってくれて、今回それが実現したのです。
‐そうでしたか。つい先日、ふきのとうホールのスタッフからゴランさんが来ると伺って驚いていたところでした。今回の共演はそのような経緯があったのですね。
大谷 余談ですけど、ほら、ふきのとうホールの上にすっごい美味しいお鮨屋さんがあるじゃない。ゴランさんそれをすごく楽しみにしてるの。お鮨大好きなの、ゴランさん。前に北村英治さん(クラリネット奏者)と、いま指揮者目指している英治さんのお孫さんと3人で行ったことがあるんです。それで覚えていて。今度もスタッフさんとみんなで行けたらいいなと思ってます。
‐ぜひぜひ、楽しみにしてます。北海道とも縁がおありのようですね。
大谷 前を辿ると、多田さんはまだお生まれになっていないかもしれませんが、私が20代30代の頃は本当によく来てたんです。札響とコンチェルトとかコンマスとかさせてもらっていました。それからパタッと空いたんですけど、また2014年にご縁があって1年に3回も演奏する機会があって、それで、今回なんです。また続けてご縁があるといいですね。
‐北海道のファンの一人としてぜひそう願いたいです。では、次に今回のツアーはジネット・ヌヴーへのオマージュという副題が付けられています。ヌヴーどのような縁があったのでしょうか。
大谷 芸大の付属高校にいた頃に習っていた先生にヌヴーを聴くように勧められたんです。そのときに聴いた印象が強烈で、ヌヴーに憧れました。同じ女性ですし。すごく強靭な意志のある音楽で、ヌヴーからは、演奏家というのは、人の心に届く音楽をしなくてはいけないということを学びました。それで今年はヌヴーの生誕100周年ということなので、ヌヴーにゆかりのある曲目を選んだんです。それで前半はプーランク、ラヴェルのツィガーヌなどフランスものになっています。
‐ヌヴーはツィガーヌのようなちょっと軽めの作品を弾いても、全然軽くない、グァッと掴まれるような音楽をしますよね。
大谷 軽くはないですよね(笑)。ヌヴーのツィガーヌはずいぶん研究しまして、真似をした時期もありました。でもヌヴーの音楽と出会って、影響を受けたおかげで芸大付属高も一番で出ることができて、ヌヴーのおかげなんです。
‐そういう思い出のある曲なのですね。今回の曲目は、思い出、そして思い入れのある作品が並んでいるのですね。
大谷 そうです、それで尊敬の意味を込めて全国ツアーの曲目がそうなっています。ホールによって少し違うのは、ヌヴーゆかりのプログラムで全部やってくださいというホールと、R.シュトラウスをメインでというところがあって、それでいくつかのパターンになっているんです。名寄がヌヴーでやってくださいとなったので、メインがフランクになり、ふきのとうさんは特にどっちということもなかったので、名寄と変えようと思いR.シュトラウスにしました。
‐名寄のお客さん、フランクが聴けるなんてラッキーですね。名寄公演はどういった経緯で実現したのですか。
大谷 ある熱心な方(※お名前は記事では伏せます)がいて、名寄のホールでは今までも小山実稚恵ちゃん、小菅優さん、庄司紗矢香さんを呼んでるんです。すごい人たちばかりでしょ。とても素晴らしいコンサートを催していらっしゃるので私も名寄は行きたいと思ったんです。でも、遠いでしょ。ツアーに入れると日程的には大変になるって言われたんですが、私は名寄のみなさんに聴いていただきたいって言ったんですよ。
‐なるほど。名寄と札幌のプログラムは、ゴランさんとのR.シュトラウスの縁、そしてヌヴーとの縁、2つの縁が結びついたプログラムなのですね。
大谷 そうなんです。プログラムは実は4パターンくらいあるのです。あまりクラシックを聴き慣れていない方が多いホールではクライスラーを入れたりもしています。
‐ふきのとうホールはとても熱心で耳の肥えたお客さんが多いので、R.シュトラウスがメインでとても喜ばれると思います。
大谷 はい、楽しみですね。コンサートは、お客さんと一体になることが大切です。トークを交えたりすることもありますが、それはそれで、まずは作品の本質を届ければ、心で味わおうとしている人には届く、でも頭で聴こうとしている人にはなかなか届かない。心を開いて音楽を味わおうとしている人にはちゃんと届くはずなので、そういう、会場が温かい空気に包まれる、そんな体験をぜひしていただきたいと思っております。
‐北海道のお客さんも心待ちにしていると思います。いま独奏者としてとても充実した活動をされていますが、どのような心境ですか。
大谷 これまでヴァイオリンでできるあらゆることをやってきました。幼稚園で演奏したり、色んなことをしてきましたが、そんなこともあってか、今が、フリーで本当に充実して、こんなありがたい人生はないっていうくらい、、そう、今が青春なんです。
‐いまが青春、インタビューの見出しはこれで決まりですね。
コンサートのことはひと段落ということで、私が個人的にお聞きしたいことがあります。今回のプログラムも大曲の上に粋な小品が乗っていてまるでケーキのようなプログラムだと思ったのですが、以前、湯山昭さんが作曲した「お菓子の世界」の作品などを散りばめたお菓子をテーマにしたCDを録音されていますね。クラシックの演奏家の方でああいった、なにか、ストーリーを生みだすような活動をする方はあまりいないと思います。お菓子のディスクは大谷さんの発案だったのですか?
大谷 そうなんです。40周年のとき(2015年)に所属のジャパン・アーツがオペラシティの大ホールを何に使ってもいいから、好きなことをやらしてくださると仰ってくださったのです。それで、私、お菓子が好きなんです。お菓子のブログをずっとやっていたくらい。あ、今は理由があってそのブログはお休みしてるんですけどね。それでお菓子にまつわる曲を集めたら面白いんじゃないかと思って、舞台にパティシエの鎧塚俊彦さんにいらしていただいて、R.シュトラウスの「ホイップクリーム」(バレエ音楽)を演奏してる横でケーキをつくってもらったりしたんです。ほら、これ!(※当日の様子を写真で見せていただきました。大きなホイップクリームが縫い付けられてケーキをあしらったドレスを着て楽しそうに演奏する大谷さんでした)。ほら、鎧塚さん、川島さん(女優の故・川島なお美さん)が亡くなってしまって、実はコンサートの直前にもう亡くなっていたんですけど、なんにも言わないで舞台の上でお客さんにもサービスしてくださって、後で知ってグサッと刺さって、それでブログを書けなくなったというのはそんなことがあったんです。
‐演奏前に大谷さんに気を遣わせたくなかったのですね。
大谷 心配すると思ったのでしょうね。
それで、コンサートをすることになって、気合い入れてポスターを作って、ジャパン・アーツもマカロンの絵とか散りばめて、チラシつくってくれたの。それを見たキング・レコードの方が録音しませんか?って声をかけてくれたの。それであのCDが実現したんです。
‐そんな偶然が重なってあのディスクが生まれたのですね。色んなものを結びつけて新しい物語を生みだすパワーを感じます。プロデューサーの発案なのかと思ったのですが、大谷さんの創作だったのですね。すごいエネルギーだと思います。鎧塚さんとの出会いもきっかけになったのですね。
大谷 鎧塚さんとは3.11塾っていう被災地支援をやっていまして、三枝成彰さんとか色んなメンバーがいます。それで、子どもさんたちを東北からイベントに招いたりしているのですが、そこで鎧塚さんが自分の修業時代の話をしたんです。それが本当に素晴らしくて、私、感激すると飛びつくタイプの人間なので、それで一緒に活動するようになったんです。
‐出会いに触発されて新しい物語が生まれる。その接点には「感動」があるのですね。
大谷 そうです。テレビ(BSテレ東の「おんがく交差点」)も4年目に入るんですけど、そのおかげで色んなジャンルの方々と出会いました。バンジョーの青木さん(青木研)、ギターの押尾コータローさん、名渡山遼さん、色んな天才に刺激を受けました。アイデアが浮かんじゃってもう大変です。
‐色んな天才との出会いと言えば、大谷さんは、いまハクジュで開催されている連続のリサイタルでも、毎年違うピアニストと共演されています。以前はジャズの山下洋輔さんとも共演されています。大谷さんが未知の世界を常に求めていらっしゃるからそうした出会いが生まれるのですね。
大谷 山下さんにお願いしたのは、ほら、ピアニストってこっちに合わせてくれる方が多いのですが、私はもっと強烈な人と演奏したいのです。自分では自由なつもりなんですけど、自由ってもっと、こう、違う、もっと違う世界に自分を連れて行ってくれるんじゃないかと思ったんです。すべてが解放されるような感覚っていうんでしょうか。ここずっとそんな感覚が続いています。
‐それで、いまが青春、なのですね。
大谷 そう!コンチェルトのカデンツァを自分で書いたり、いま曲も書いてるの。Twinkleっていうんですけどね。それで、ハクジュのほうの毎年違うピアニストと共演しているのはちょっと違う理由で、ホールのほうが10年かけて自分の言いたいことを言ってくださいと仰ってくださったので、それでテーマに合わせてそれぞれのピアニストさんにお願いしてるの。ハクジュのほうはあくまで、テーマに合わせて、ということです。
‐ハクジュのシリーズは一年ごとに、敬愛、愛、愛情、とテーマがしりとりになっているのですよね(笑)。やはり「愛」ですか?
大谷 そうなんです。音楽を通して仲良くなったり、そういう音楽の力ってすごいので、私は音楽で一つになれるというメッセージをずっと伝えたいと思っているんです。本当にそう思っています。
‐なるほど。リサイタルツアーのプログラミングのお話を通して、人生観までお話し下さいました。ツアーの話題に戻りますが、初日の大賀ホールとも深いご縁があるのだそうですね。
大谷 今回のツアーは初日の大賀ホールの公演がCDになります。私にとって大賀さんは大恩人でして、それで大賀ホールだけ最初に「夢のあとに」を演奏します。それがCDになるんです。
‐また新譜が出るのですね!それは楽しみです。ツアーのプログラムの意図を通して、大谷さんの人生観までお話し下さいました。大谷さんの現在の活動は、テレビに作曲、それに著作活動など本当に多岐にわたりますが、最後に、ファンの方々は大谷さんがいまどんな活動に力をいれているか、どんな未来を描いているか、興味があると思います。そのあたりを少しだけお話いただけますか。
大谷 そうですね、たくさんあるんですけど、そう、私、川崎市の文化大使をやってるの。そこで、街に根づく活動をもう何年もやっています。地下街で街ゆく方に音楽を届けたり、そんなこともやっています。こんど来てもらうのが、ピアニカの魔術師のミッチュリーさんなんです。この方も、ピアニカにくだつけて何でも弾いてしまう、すごい方なんです。ミッチュリーさん、お忙しいのに、全国の小学校にお手紙を出して、子どもたちに音楽を聴かせたい、弾かせてほしい、ってあちこちにお願いして学校を回ったりしてるんです。そういうところをすごく尊敬しています。
‐ミッチュリーさんは大阪の方ですね。関西へ行くと、町中で流しの人がごく自然に演奏をしていたり、東側と文化の違いを感じます。川崎市はそんは取り組みもしているのですね。知りませんでした。
大谷 ヨーロッパへ行くと空港にピアノがあって好きに弾いたり、それで仲良くなったり、向こうでは当たり前なんですけど日本は規制とかが難しいですよね。
‐最近、街に誰でも弾けるピアノを設置したり、少しずつそうした動きが話題に上るようになってきましたが、もっと生活との距離がなくなるといいですね。少し前に『ヴァイオリニスト 今日も走る』という本を出版されましたが、まさに全力疾走の音楽人生ですね。
大谷 あの本、楽天の音楽部門でフジコヘミングさんの本と1位と2位を順に譲り合っていて、いま2位なんです(笑)。この本読んでもらえれば、どうして私がこんなことをやっているのかもっと分かってもらえると思います。40分もあれば読めますので、ぜひ読んでほしいですね。レビューで「元気になった」とか感想をもらっています。私、コンサートの最後は客席の後ろから出てきて弾くことをもう40年以上続けているの。なんでそんなことするかというと、客席からステージを遠くに見ているのと、真横で聴く音って全然違うんです。子どもさんに松脂が飛んできたり、弓が弦をこする音が聴こえたり、そんな体験を届けたいんです。それで、あとでクラシックが好きになってくれたり、そんなことを願って続けています。以前、「題名のない音楽会」であるヴァイオリニストが、幼稚園のときに私のコンサートで真横で弾いてくれて、それがきっかけでヴァイオリンを始めたって話してくれたんです。阪神大震災のときもずっと被災地演奏を続けていたんですが、そのときお子さんだった人が大人になってから話かけてくれて、子どもの頃、家も燃えてしまったときにずっと大谷さんの演奏を聴いて勇気づけられたって話してくれたり、そんなことがありまして、もう頑張るしかないですよね。
‐それは、感動しますね。
大谷 そんなことが何度かあって、それで走って回っているんです。本のタイトルの「走る」はそういう意味です。
‐大谷さんの見えないところで同様の経験が何かのきっかけになった人がたくさんいるのでしょうね。では、インタビューの記事でもご紹介しますので、それで再び1位に返り咲くといいですね(笑)本当に色んな活動をされていますが、その多彩さは、音楽を通して一つに、という大谷さんのさきほどのお話に収斂してゆくような感じがします。これからも大谷さんの音楽や言葉を通して色んな人たちが勇気づけられ、幸せになる、そんな活動を私も陰ながら応援しております。今日はお忙しいところ本当にありがとうございました。また札幌の公演でお会いできることを楽しみにしております。
演奏会情報名寄公演〈大谷康子&イタマール・ゴラン デュオ・リサイタル 日時:2019年05月09日(木) 19:00開演
札幌公演
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